脳出血とミュータンス菌の関係は?
新潟市西区小針南台の西原歯科クリニックです。
高齢化社会で、お口の健康が重要視されてきています。
脳出血は、一般的に塩分の取り過ぎ等が引き金 となり、高血圧との関連性が高い事は、 よく知られていますが、特定のミュータンス菌が、その引き金になるという事が報告されました。
コラーゲン結合性タンパク質を菌体表層にもつミュータンス菌株は、マウスの大脳出血を引き起こす事が大阪大学小児歯科の研究グループ によって明らかにされました。
このコラーゲン結合タンパク質を菌体表層にもつミュータンス菌は、cmn遺伝子 によって産生される新しいタイプである事等がある研究グループによって明らかに されています。
コラーゲン結合性タンパク質は、血管の傷口に集まって炎症反応を誘発し、血小板の止血作用を阻害して出血させます。
コラーゲン結合 タンパク質 を持つある種のミュータンス菌は、脳内の 微小血管の止血を 阻害して出血させるリスク因子となるわけです。
また大阪大学の研究グループは、浜松医大との共同研究で、脳出血患者さんは、ある特定の脳出血と関連があるミュータンス菌の
感染率が、 健常者の感染率に比べ約4倍も高い事を発表しています。
また、国立循環器病研究センターの研究グループは、 MRI画像で観察出来る脳出血患者 さんは、 ある種のミュータンス菌感染率が有意に高い事をオーラル.ディズィーズ誌に発表しました。
即ち、コラーゲン結合タンパク質遺伝子cmnを有するミュータンス菌感染は、脳出血と高い相関性があることを発表しました。
この cmn遺伝子を有するミュータンス菌が脳出血リスクの高い事も発表がなされました。
私も毎日口腔ケアの重要性についてお話ししていますが、こういった研究がなされ、口腔常在菌と特定の疾患との関連が指摘されると、特に高齢者において自分での口腔ケアが難しく、 介護が必要な方へのミュータンス菌群を蔓延らせない口腔ケアは、益々重要となっていくと思われます。
参考文献
1) 奥田克爾著 史上最大の暗殺集団デンタルプラーク より
新潟市西区小針南台
西原歯科クリニック
http://nishiharadc.web.fc2.com
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